電子と電流の向き のバックアップの現在との差分(No.1)


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*本当にサルでもわかる話 [#jc9b049e]
**n型、p型半導体のおさらい [#f8d922e3]
今回のお話の前にn型半導体とp型半導体のおさらいを簡単にしてみましょう。
***n型半導体 [#y6f4bdd3]
・n型半導体は余った電子がある。
・電子はーを持っている。
・その電子は電圧をかけると+の方に流れる。
というお話でした。
#instagram(Bnul05PnauW)
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***p型半導体 [#n9302cd1]
・p型半導体にはホールがある。
・ホールは+を持っている。
・そのホールは電圧をかけるとーの方に流れる。
というお話でした。
#instagram(BnxBJ2mn3fu)
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複雑なことを言うとワケわからなくなりますが、一言で言ってしまえば、
『Si(シリコン)だけの状態の半導体にP(リン)を混ぜた半導体』
程度の理解で十分だと思います。
前回お話した「”Siに混ぜ物をした半導体”というものは次回以降でお話します。」というお話をするわけです。
**電流というもの [#p142ac67]
電流という言葉をご存知でしょうか。
聞いたことがある方は多いと思います。
一言で言えば「電気がどういう方向にどれくらいの大きさで流れているのか」みたいなイメージです。
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**シリコンだけの状態からリンを混ぜた状態の半導体を理解する [#h4461591]
前回お話した真性半導体(Siだけの半導体)の図を改めて書くとこんな感じでしたね。
#instagram(BlJlLZxnXzk)
すべてのSiの周りに電子が8個。
電子は安定して動かなく、電気が流れない。
そういうお話でした。
***「電流の向き」=「+を持つモノが動く方向」 [#o97e67fd]
これはこういうものだと覚えておいてください。
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このSiの一部をPと取り替えてみます。
SiからPに変わると何が起きるのか。
Siは電子が4個ですが、Pは電子を5個持っています。
すると、ご覧の通り、P 1個につき、電子が1つ増えます。
その電子は宙ぶらりんになっちゃうわけですね。
さて、+を持つものとは何でしょう。
それは「ホール」ですね。
ということでp型半導体から考えましょう。
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ということでPを1つ増やすほど電子が増えますのでPの数を増やすとこんな感じになります。
(各々のSiやPが持っている電子4個は省略して書いてます。)
#instagram(Bnuke9ons4P)
***p型:ホールと電流の向きは同じ [#xbc7603a]
p型は簡単です。
ホールはーへ流れ、それと同じように電流が流れていると理解してください。
#instagram(BnzfN68HOsI)
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**余った電子は自由に動けるので電流が流れる [#kf7b3ec1]
「8個で安定している電子」と違って「余っている電子」は好きに動けます。
そこで、下の図のように左に+、右にーの電圧をかけてみます。
すると、電子はーの電気を持っているので+に引き寄せられ(磁石のSとNみたいに+とーは引き合います)、左へ流れていきます。
#instagram(Bnul05PnauW)
***n型:電子と電流の向きは逆 [#n34f1cdc]
電流となるとn型のほうがややこしいです。
電子は+へ流れます。
しかし、電子はーの電気を持っています。
電流は「+の電気を持つものが流れる向き」というルールです。
+とーは逆になりますので、電子とホールが流れる向きは逆になります。
#instagram(BnzncUJHLPG)
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電子が動くため、電流が流れます。
電子が多いほど電流が一杯流れるのでPが多いほど電流が流れます。
ということでPが多いほど電気抵抗(電流の流れにくさ)が小さくなりますね。
***結局 p型もn型も+からーへ向かって電流が流れる [#ueafe62a]
ややこしいことを言ってきましたが、結局のところ 以下のとおりにまとめることが出来ます。
・p型はホールが動いて電流を作っている。
・n型は電子が動いて電流を作っている。
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★pもnも+からーへ向かって電流が流れる
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上の2枚の絵を見て頂くと分かりますが、「+からーへ向かって電流が流れています」よね。
とりあえずそれがわかって頂ければここを読んでいただいた意味はあります。
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細かいことは気にせず次へお進みください。
ご覧頂きありがとうございました。
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*少し難しい話 [#x2c9b004]
なし
**なぜ電子と電流の向きは逆なのか? [#yda7d616]
これ、とてもややこしいですよね。
なんでこうなっているかと言えば・・・
***電子が見つかる前は+の電気を持つ粒があると考えられていた [#l1a6c217]
からなんですね。
なんかわからんけど、+の電気を持つモノが流れているんだろう。
だから、その向きを電流に決めちゃった。
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しかし、研究が進むに連れて 「どうやらーの電気を持つ粒(電子)が電流を作っている」ことがわかってしまった。
ということで電流と電子の向きが逆になっちゃったわけです。
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一言で言えば「昔の科学者の予想が外れた(アホだった)」ということになります。
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*参考文献 [#o6fa1c6c]
なし