真性半導体とは

Last-modified: Sun, 08 Jul 2018 09:14:35 JST (2328d)
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本当にサルでもわかる話 Edit

真性半導体とはEdit

複雑なことを言うとワケわからなくなりますが、一言で言ってしまえば、
『混ぜ物をしていないシリコンだけの状態の半導体』
程度の理解で十分だと思います。
「Siに混ぜ物をした半導体」というものは次回以降でお話します。

シリコンだけの状態の半導体を理解する Edit

チップの中のシリコン1つ1つ(1原子)がどういう状態なのかを考えましょう。

シリコン原子は電子を4つ持っている Edit

図に書くとこんな感じです。

良い図がなかったので自作しました。
あんまりうまくなくて申し訳ないです。
Si原子の周りに4つの電子があります。
今後、大きな○に元素記号(Siならシリコンですね)があれば「原子核(まぁ原子だと思っておいてください)」、その周りにある小さな○は「電子」と理解してください。

電子とは Edit

これも細かいことを言うと長くなるので一言で。
『「マイナスの電気」を持ってる超小さな粒』
まずは、これでOKです。

原子は電子が8個あると安定する Edit

「なんで?」と言いたくなりますが、「そういうルール」とご理解ください。
「なんで1+1=2なの?」とか、「なんでお腹空いたらご飯食べるの?」って言う人、「あんまり」居ないですよね。
そんなノリで。


さて、Siは電子を4個持っています。
対して、安定する電子の数は8個。
4個足りませんね。

原子核は電子を共有できる Edit

Si同士は電子を共有できます。
意味がわからないと思うのでまた図を書きました。

Si同士を左右に並べました。
この状態では左の電子の数はと言われると、当然「4個」なのですが、物理化学的にはSi電子は黒枠で囲った範囲の電子を持ってると「思い込みます」。


「実際に誰(どのSi)の電子か」よりも、「自分の周りに何個電子があるのか」のほうが重要ってことですね。
つまり「5個」になっちゃうんですよね~。
これであと3個になりました。


ちなみに右側のSiは電子を奪われて3個になってるというわけでなく、こちらも「5個」と「思い込みます」。
それぞれのSiがそれぞれの電子を「共有」してるんですよね。
これを「共有結合」といいます。
ま、ワードは別にどうでもいいです。

すべての電子を共有させると・・・ Edit

さて、上図から更に発展させます。
同じ要領で右だけじゃなくて、上も下も左も共有させるとこんな感じになりますね。



これで□の中の電子の数をカウントすると「8個」になりますね。
これで、この図の真ん中のSiは安定して落ち着きます。
この状態をキープしようとします。


周りにSiをどんどんつなげていくと・・・



こんな感じですべてのSiが電子8個で落ち着きます。
Siの結晶(かたまり、ウエハ)には小さいSiの原子が大量にありますが、こんな感じで全部8個電子があるのでこの状態で居たいと思います。
つまり「原子同士がくっついている状態が良い」ってことですね。
Siの結晶が硬いのはそういうことですね。

このままだと電流は流れない Edit

さて、この真性半導体の左に+、右にーの電圧をかけても電流は流れません。
中にある電子が全部8個の状態になっていて、この状態から動きたがらないためちょっとした電圧ではその状態を脱する気にはならないんですよね。
電流というものは+とかーを持っているもの(例えば電子)が動いていることで流れるので、電子すべてが動かない真性半導体では電流は流れないです。


ただし、よっぽどな電圧を流した場合は別です。
その場合、本来動かない電子を無理やり動かしていることになります。
したがってその半導体は壊れちゃいますね。


さて、「半導体というものは電流を流してナンボ」な部品です。
電化製品に入ってるんだから当然ですよね。
ということで、真性半導体は実際にはほとんど使われることはありません。


しかしながら、ここから先の話をするためにこの話をしないと始まらないので1ページ使って話をさせてもらいました。

少し難しい話 Edit

実際には3次元に結合している Edit

Siの結合をわかりやすさのため平面的に書いてますが、実際には下図の通り3次元的に結合しています。
○がSi原子核、線が電子2個だと思って頂ければいいです。

lgF1Ep3.png


参考文献 Edit

なし