p型半導体とは
freeze
本当にサルでもわかる話
p型半導体とは?
複雑なことを言うとワケわからなくなりますが、一言で言ってしまえば、
『Si(シリコン)だけの状態の半導体にB(硼素、ホウ素、ボロン)を混ぜた半導体』
程度の理解で十分だと思います。
前回に引き続き、「”Siに混ぜ物をした半導体”というものは次回以降でお話します。」というお話をするわけです。
攻め方はn型半導体と同じです。
シリコンだけの状態からボロンを混ぜた状態の半導体を理解する
再度、真性半導体(Siだけの半導体)の図を改めて書くとこんな感じでしたね。
すべてのSiの周りに電子が8個。
電子は安定して動かなく、電気が流れない。
そういうお話でした。
このSiの一部をBと取り替えてみます。
SiからBに変わると何が起きるのか。
Siは電子が4個ですが、Pは電子を5個持っていました。
BはSiより1つ少なく、3個の電子を持っています。
すると、ご覧の通り、B 1個につき、電子が1つ減ります。
n型と逆になってしまいますね。
すると不足しただけ、本来電子が入る ところに穴が空いてしまいます。
この穴をホール(Hole、正孔(せいこう))と言います。
ということでBを増やすほどホールが増えますのでBの数を増やすとこんな感じになります。
(ちゃんと入ってる電子は省略して、ホールだけを書いてます。)
ホールは+の電気を持っていて自由に動けるので電流が流れる
「穴が+の電気をもってる!?動く!?」と言われても意味がわからないですよね。
もっともな話だと思います。
私も最初は意味不明でした。
このへんは「少し難しい話」に書きますのでご興味がある方は読んでみてください。
とりあえず、以前話した「1+1=2」という足し算を意味もなく覚えた小学生の感覚に戻っていただいて、
・ホールは+の電気を持っている
・ホールは自由に動く
ということをルールと思っていただいて進んでください。
n型と同様に、下の図のように左に+、右にーの電圧を書けます。
すると、ホールは+の電気を持っているのでーに引き寄せられ(磁石のSとNみたいに+とーは引き合います)、右へ流れていきます。
+の電気を持つホールが動くため、電流が流れます。
ホールが多いほど電流が一杯流れるのでBが多いほど電流が流れます。
ということでBが多いほど電気抵抗(電流の流れにくさ)が小さくなりますね。
この辺は+とーが入れ替わっただけで、n型と同じです。
少し難しい話
ホールが+の電気を持つ理由
電子が本来居るべき所(周りに8個のところです)は電気的には+でもーでもないんです。
「電子はーなのになんで!?」となるかと思いますが、実は原子(図でいうBとかPとかSiとか書いてる所)が+を持っているので打ち消し合って中性(+でもーでもない)なんですよね。
本来 中性のところからーが無くなるので+になるという理屈です。
少し難しいので、「よくわからん」という方は「ホールは+」と、とりあえず流しておいてください。
ホールが動く話
これもややこしいので、よくわからない方は流してください。
実際には「電子が動いてるんだけど、ホールが動いているように見える」と言う感じです。
下の図に書きます通り、
電圧をかけると+方向に電子が動きます。
8個になっている電子は本来動きませんが、近くにホールがあると別です。
電子は今いるところも居心地が良いですが、ホールに飛び込むのも同じくらい居心地いいので、飛び込んじゃいます。
その結果電子が動いて電流が流れます。
電子が動くということはホールも動くということなので、今のをぐちゃぐちゃいうより「ホールが動いた!」って考えたほうが楽ちんというわけです。
少しでも理解頂けたら幸いです。
と、いうレベルに説明してる私も頭がグッチャグチャになりました。。。
参考文献
なし